京都で最も華やかで奥の深い花街(かがい)の文化。京都と言えば誰もが連想する舞妓さん、芸妓(げいこ)さんが住む世界です。最初に誤解の無いよう申しておけば、舞妓さん、芸妓さんはいわゆるコンパニオンやかつての娼婦と言った存在とは違い、京舞や唄、和楽器と言った伝統技芸を身につけ、言葉や所作を含めてあらゆる日本文化を体現する者と言えます。
京都には五つの花街があり、それぞれ「祇園甲部」、「祇園東」、「先斗町」、「宮川町」、「上七軒」と呼ばれます。もっとも古い上七軒は西暦1444年に北野天満宮が消失したことがきっかけで成立したと言われますので、500年以上の歴史を持っていることになります。
これらの花街は紳士淑女の社交の場として有名ですが、「一見さんお断り」という特殊な習慣により、多くの人にとって今なおベールに包まれた世界となっています。
この世界をほんの少しみなさんにご紹介するべく、我らがとま郎君が初体験してきました。(⇒「とま郎君」についてはこちら)
花街は大きく分けて「お茶屋」、「仕出屋」、「屋形(置屋)」の3つにより構成されています。お茶屋は場所を提供し、お酒やお料理、人の手配をします。仕出屋はお茶屋へお料理を運びます。屋形は舞妓さん、芸妓さんが所属、生活しており、お茶屋へ派遣を行います。
お客はお茶屋へ連絡し、席の手配をお願いします。しかしここで問題になるのが「一見さんお断り」というシステムです。「一見さん」とは初めてのお客ということです。初めてお茶屋を利用するには必ず誰かの紹介が必要で、馴染みのお客さんに連れて行ってもらわなければなりません。この様なシステムを取っていることには色々な理由がありますが、これにより長年花街の文化と雰囲気を守ってきたと言えます。
さて、ひとまずお茶屋の手配が出来たとして、その中でどのようなことが出来るのかをとま郎君が以下にご紹介致します。
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